娘とナポリ人

私はローマ郊外の、ほぼ地域みんなが顔見知りと言うところに住んでいる。

家のある一角は昔から代々家を継いだ人が住んで居るので長い付き合いであり、夫も赤ちゃんの頃から知られている。

最近では外で遊ぶ子も少なく昔ほど関りはなくなったらしい。

それでもどこにどんな人が住んでいるかは、話し好き世話好きのおばあちゃん(夫の祖父の弟)によって知らされるし、会えば必ず挨拶する仲である。

そんな近所の仲間に日本が大好きな9歳の娘がいた。

娘の母はナポリ人で未だに会えば私はナポリ人なのよ、とアピールしてくるが初めて会ったときは二言目で「あなたは中国人かそれとも…」。

ローマ人と区別したいならアジア人も中国人と決めつけるなと言いたいところだったが、丁寧に日本人だと抗議した。

私が日本人だと分かったところでナポリ人は娘がどれだけ日本が好きかを話し、2025年の大阪万博へ向けて貯金を頑張っていることを教えてくれ、娘が書いたというアニメキャラクターの絵もくれた。

ちなみにこのナポリ人はよく話しよく歌いよくキレる。

そのためこの母子と話しても母に圧倒され娘の出番はほぼないのだが、女の子が日本が大好きだということは伝わってきた。

そんな昨日、久しぶりにナポリ人に会ったが娘がキャンディーもアイスクリームもいらないから日本語を習わせてほしいと言ってるらしい。

以前ちびっこに日本語を教えてると言ったので母子は私が当然先生になれると思っているようだが、実は先生になる勉強なんてしたことなく文法は助詞がなにかもわからない…

子どもたちと日本語で遊ぶだけでいいからの一言で始めた仕事なのに、いつの間にか“先生”になってしまっている。

一応なにかしてるよと言う意味で気楽に日本語を教えてるなんて言うべきでなかった。

9月から習いたいらしいが、本当に私で大丈夫なのだろうか。

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