私はよく道を聞かれる。
日本でもそうだったが留学時代にオーストラリアで、旅行先の異国でも観光客から聞かれることがとても多い。
毎回自分、明らかに現地人に見えない私に聞いてくる理由はなんなのかと思うと同時に、いや自分はただ自意識過剰なヤツかもしれん、とも思ったり。
そんな思いで長年生きてきたが、いつだったか「よく道を聞かれる人」についてのコラムをたまたま見つけた。
読んでいくと道を聞かれやすい人は海外でも同じとが起こる、さらには「自分がガラガラだったお店に入ると、直後に急に混む」傾向にあるとあり、まさに自分について書かれたような記事で、長年心に引っかかっていたものが解けてすっきりした。
昔から恥を忍びガラガラのお店に入ると直後から続々とお客さんが入ってきたり、自分が先頭でレジへ行けば直後に行列ができたりと不思議なことが起きていて、単なる思い込みかもしれないと思ってきたが本当に起こっていたようである。
ここローマではイタリアの国民性も加わり、話しかけられる頻度はとても高い。
バスの中で行き先を確認してきたり、後続を気にせず車の中からおじいちゃんが通りの名前を聞いてきたり、散歩中のマダムが近くのピザ屋さんを尋ねてきたり。
子供や若い子も聞いてくるのでスマートフォンは使いこなせているのか心配になるが、人との交流を恐れてない感じが私は大好きである。
理解できないことも多いがたくさんの人の中から外人の私を選び尋ねてくれるので、なんとか単語を並べて伝えるようにしてるが、最終手段は「イタリア語よくわかりません、勉強してます(愛想笑い付き)」。
どんな時でも学生時代の ”1番ダメなのが黙ること” の教えを思い出し、決して黙らないようにしている。
このために面接練習をやらされたのだな、と今さら感謝である。
イタリアに移住したてのころは話しかけられるたびに構えてしまっていたが、ある時からわからないことに慣れた。
知らない言語が耳に入ってくることに慣れることが、精神的なゆとりをもたらすと気づいたのである。
それでもまだ私を悩ませているのは、至る所で遭遇するティーンエイジャー、通称ベイビーギャング。
集団行動が大好きで目立ちたがり屋の彼らはとりあえず注目されたいのだろう、よく大声で話したり叫んだりものを投げ叩き蹴とばし音を立てたがる。
だがこのうるさいおチビちゃんたち、意外にもいろんなことを丁寧に聞いてくるので否めない…
言葉がわかれば怖さもうるささも半減だろう。
彼らがなにをそんなに盛り上がっているのか理解するのが目標である。
ヨーロッパ旅行をお考えなら!