男はオオカミ

働き始めたレストランの厨房に、61歳と私の父親より年上の同僚がいる。

若く見える南米人である。

私はホール、この同僚は厨房なのでそこまでの接点はないが、先週土曜日の仕事が終わり、帰り道が一緒なこの同僚に飲みに誘われた。

雑談することもあるし、なにより私はビールが大好きなので承諾し、1時間だけ楽しく飲んだ。

スキンシップの多さを感じたものの、相手は南米人のおじさん。

そんなもんだと思ったまま、次の日のお昼休憩も誘われるがまま一緒に過ごした。

ここでようやくやっぱりヘンな事に気づく。

ランチのピザを食べるだけなのに、広い野原の端っこの草が生い茂ったところを選ぶし、割と近くに座っているのに隣に来てと言うし、食べ終われば人気のないところへ散歩へ行こうと言う。

そこで私はピンクレディーのsosの歌詞を文字通り思い出した。

羊の顔していても 心の中は…このひとだけは 大丈夫だなんて…

小学生で聞いていた歌だが、今61歳のオヤジに言い寄られてやっと意味を完全に理解できた。

それにしても職場の既婚者の女に手を出そうだなんて、本当に気持ち悪いものである。

新しい職場のみんなと仲良くなれるように感じ良くし常に笑顔でいたが、もっと脇を締めるべきであった。

しかし私もなよなよした女でないので、今は気持ち悪いと言うオーラを全面に放ち、近づけさせないようにしている。

もしも次に過度のスキンシップや誘いがあれば、キッパリと思うことを言ってやろうと思っている。

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