ドアとローマ人

先週家の部屋にドアが取り付けられ、これにて最低限の家が完成した。

リフォームだったので内装、水道、ガスはそれぞれ義父の友人に頼み、外壁塗装は自分たちでやったがドアは注文が遅れたので、注文した会社に取り付けをお願いした。

ドアを取り付けに来た2人のうち、1人は呆れるほどのローマ人。

到着するなり「バーはどこ?」

これからの仕事ぶりが不安になる。

夫「バーは道路の反対側」

ローマ人「あー遠いね」

夫「カフェいる?」

ローマ人「いや大丈夫」

タバコを吸って誰かと電話を終えるとようやく仕事に取り掛か…らない。

ローマ人「暑くてさ、なんか冷たいものが食べたんだよ」

夫「ジェラートならあるよ」

ローマ人「あるなら早く言ってくれよ~」

いやいやあんたもらう立場じゃないの?

そしてついでにカフェも飲み、ここ数日大変だった仕事の愚痴を漏らしながら仕事に取り掛かった。

仕事中も時折夫になにかを大げさな身振りで話し、しまいにはASローマ(ローマのサッカーチーム)の応援歌を歌いながら働いていた。

日本の実家に誰か業者の方が来てくれた時には、リビングを申し訳なさそうに通り皆ささっと帰っていたが、こちらの人は一歩入れば自分の家かのように振舞う。

たまに日本人の謙虚さが恋しくなる瞬間である。

その後仕事終わる頃に義父も家を訪ねてきた。

義父「ビール飲む?」

ローマ人「そんな飲むか聞かれたらNOなんて言えないじゃん~」

聞く方も聞く方だが、もらう方ももらう方。

もう呆れを通り越して笑ってしまう。

この日は2時間ほどで帰っていったが、たった3日後ドアの1つが壊れてしまった。

夫はドアのお店に即連絡、翌日またあの男がやってきた。

このローマ人が接着剤をは塗り忘れたことが原因だったが、やっぱり俺じゃなくてあいつ(彼の同僚)のせいだと、決して非を認めなかった。

もう驚きもしない。

やってもらう側として不安が大きすぎるが、これぐらい緩く働くのがいいのかもしれない。

いや、さすがに度が過ぎる、、、

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