井戸端会議

うちの目の前の道路では、毎晩井戸端会議が行われる。

夕ご飯を済ませた8時半頃から集まりだし、10時ときには11時までひたすら話す。

自由参加なのでメンバーは日替わり。

私はこれをひそかに老人会と呼んでいる。

毎日開催されているので、私もちょくちょく顔を出している。

さて、先週木曜日はいつになく騒がしかったので、私も様子を見に外に出てみた。

聞けば生まれたばかりの子猫が行方不明らしい。

家の近所にはなぜか毎年夏になると近所に子猫が捨てられる。

今回の子猫も誰かが置き去りにした猫らしく、鳴く声は聞こえるのに捕まえられない、発見できないという事件が起きていたらしかった。

そこで力を発揮していたのは、中年メンバーのジュリア(仮名)。

去年の捨て猫を保護したのも彼女である。

冗談が多く面白いのだが、難点はちょっとばかりマヌケなところである。

私が野次馬に行ったときはやはり彼女の指示で、車のボンネットの中を探していた。

エンジンやらなんやらの間に子猫が挟まったりなどしないだろうが、路駐した車の持ち主も、仕事終わりのジュリアの夫も「こんなところにいないよ」と諭しながらも探すのを手伝い、20分ほどしてようやくジュリアは諦めた。

その後近所の家の車庫に隠れていた子猫を発見し、そこでもまた1時間ライトで子猫を照らしながら格闘。

結局諦めて次の日の昼に無事保護できたらしい。

数か月前には飼い猫の爪が隙間に挟まって身動きが取れない、というだけで消防車を呼んだジュリア。

大きなはしご車と救急隊員が到着したところで猫は驚いて逃げていった。

お騒がせジュリアに振り回される周りは大変である。

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