今月引っ越して来た新しい家には、ここに住み着いている黒猫がいる。
名前はない。
ではなく名前はドルチェ・ネッラ。
愛らしいのでドルチェ(甘い)、黒猫だからネッラ(黒)。
ドルチェはここに住んでいた亡き夫の祖母に懐き、3年ほどここで暮らしている。
新居への引っ越しに伴い、この猫も自動的に私たちが世話することになったが、私は猫が苦手である。
猫が身近にいる生活など申し訳ないが耐えられないので、新居の猫を夫の実家に引き取ってもらえないかお願いした。
しかしもうすでに猫を飼っているのと半野性的なドルチェは完全な家猫としては飼えないということで、仕方なくうちに居続けさせることにした。
ドルチェからすれば後から自分の住処やって来るのは私たちだが。
ところで私は小さいころからすべての動物が苦手である。
家族と動物園に行き、特にそこでのお弁当が不快でたまらなかった。
学校で動物に触れなければいけない授業では「もう触った」と嘘をついたし、幼稚園で猫がズボンに触れたときは、そのズボンをもう二度と履かなかった。
本当に悪いが動物自体が汚く思え臭いも不快だったので、5歳くらいで牛を見てからは肉類も一切口にしなかった。
好き嫌いでもあるが、もう体が拒否するのでどうしても食べられなかったのである。
小学校時代に通っていたバスケットボールの少年団はまだ完食主義で、吐くまでお肉を食べることを強要された。
なぜ子供の時はあそこまでいろいろさせられたのか思い出すと今でもイライラし、ベジタリアンを知っていればなあ…と悔やむ。
さて、話を戻そう。
そんな動物、猫との嫌な思い出もあるので、引っ越し直前まで絶対家に入れないとみんなに宣言し、ちゃんとした寝床をどうしようかといろいろ考えていた。
だがしかし、たった2日で私がダメになった。
かわいくてかわいくて仕方がない…
決まってお昼に餌のウェットフードを求めて家に帰ってくるし、夜は家のソファで寝たがる。
朝起きると勝手にベッドの上で寝てるし、私を見つけるといつも追いかけてくる。
猫とはこんなにかわいい動物だったのかと、以前は拒否していたことをドルチェと天国の義理の祖母に謝った。
最近は当たり前のように家にいるが、やはり日中どこに行っているのかもわからず綺麗ではないので、ソファとベッドはやめさせようと奮闘中。
両足そろえて手で顔を隠して寝る姿を見るとかわいそうだが、教育は大切!
居心地よく自分のベッドで寝てくれますように。
ヨーロッパ旅行をお考えなら!