罰金とローマ人

日本と違い、路上駐車が一般的なローマ(おそらくイタリア全土)。

それでも場所によって白線は無料、青線は有料さらに時間制限付きなど色々なルールがある。

標識やルールを知らないとレッカーで運ばれたり、高額な罰金を科せられたりするので注意が必要である。

だがしかし!ここはローマ人の住むローマ。

抜け道を知り尽くしていたり、ルールを守らない人が大勢存在する。

残念ながらその一人にうちの夫がいる。

夫は生粋のローマ人。

愛するローマ(ローマのサッカーチーム、ASローマ)は毎試合観るし、毎分毎秒友達や家族へ連絡することをやめられない。

事あるごとにローマの美しさを語り、ローマ以外には住めないと断言、ピザに関しては話し始めたら最後、誰も聞いてなくても止まらない。

ぜひ私と結婚できたことに感謝してほしいものである。

さて、こんな男が毎日律儀に駐車料金を払うわけもなく、しかしルール違反はダメだと胸を張る夫は、抜け道を見つけグレーな方法で駐車してる。

そんな度胸もない私には少々腹の立つやり方である。

そして先日、抜き打ちで無銭駐車に罰金を科す担当者がやってきた。

取り締まるのが彼らの仕事。

だからさっさと罰金を科せばいいものを、話すのを楽しむかのように違反者の言い訳を取り合う担当者。

そして結局「今すぐ料金を払って領収書を持ってきて!」とその場で払えば良しとされた。

なにかが間違ってる気がするが、ローマ人がローマでそうするのだから多分これが正しいのだろう。

よかったねと言う私に「いや、あいつはダメ。いつもはまあそういうときもあるよねって構ってこないから」と夫。

そうして今回逃れた罰金だが、これはわずか35€。

ひと月の駐車料金が90€で罰金は35€、抜き打ちの取り締まりはあって月2回…

もうどこの誰が間違ってるのかちょっとわからないが、これがローマのやり方らしい。

日本を出て外国に暮らしたり旅をして学んだのは、ずる賢く生きてる人の方が得をするということ。

これはそのまま頭を使ってルールをうまく破ることもそうだが、結局ルールを守らない人だらけの社会で見下されず、良い対応を受けられるのはずる賢い人だと思う。

最近はそんなぶっ飛んだことを堂々とできるローマ人の心の強さに憧れつつある…が日本人である私くらいは世の中をまともに回せねばならぬ、と葛藤の日々である。

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