分かり合えない病人食

おととい、夫が熱を出した。

2年近く前に私がイタリアに越してきてから、コロナを除き熱を出したことはなく滅多に風邪もひかない夫。

そんな夫がお腹が張る、気持ちが悪いと夜中に唸るものだから、こちらも眠気に負けずに看病した。

次の日には少し元気になったが、改めて私たち夫婦は外人同士だなと感じた日々であった。

なぜかといえば、病気の時や体調が悪いときに食べたいものがまったく異なるから。

もどかしい場面である。

昨日の朝のイタリア人夫からのリクエストはごはんにレモンを絞ったもの

あの美しい艶やかな白米にレモンか。

作れなくはないだろうがイメージがわかないし、ごはんにレモンは申し訳ないが抵抗がある。

結局材料があるし作り方知ってるから~と言い訳し、ミネストローネにパスタを少し入れたものにした。

ちなみにこの他にも

  • ただ茹でたパスタにオリーブオイルと塩
  • コンソメスープに小さなパスタを入れたもの

がイタリア人にとっての病人食らしいので、イタリア人のパートナーがいる方はこれらを作ると喜ばれるかもしれない。

ところで夫の希望する病人食を私が作れない(理解できない)のは、逆に私が病人だった場合も一緒。

日本で生まれ育った私はもちろんおかゆが食べたい。

昔から母が作ってくれたさつま芋とたまごのおかゆが特にお気に入りで、今でもそれが食べたくなる。

せめても白いおかゆが食べたくてリクエストするが、イタリア人夫はそもそもお米はリゾットとしてか調理しないため、白いごはんの炊き方など知らないのである。

風邪の度におかゆのつくり方を教えたいと思うのだが、元気になると忘れてしまうため未だに我慢のまま。

さて、夜になりやっぱりレモンごはんが食べたいと言うので、優しい看護人の私は白米を炊いてあげた。

白いごはんにレモン、塩コショウ、さらにはオリーブオイル…

満足そうな夫は2杯おかわりしていらっしゃいました。

回復しているようでなにより。

だけど私にレモンごはんを勧めてくるのだけはやめてほしい。

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